レイアウトを作成する(その4)
WED(WeekEndDevelopers)のぽんたです。
開発スキルのないSIerからソフトウェアスキルを取得するため、WEDでモノづくりを計画しています。詳しい経緯はここ
現在、第5章(レイアウトを作成する)実施中です。
最近のRailsに追加された機能の中で最も特筆すべき機能の1つは、CSS、JavaScript、画像などの静的コンテンツの生産性と管理を大幅に強化する「アセットパイプライン (Asset Pipeline)」というものがあります。
アセットパイプラインの概要と、素晴らしいCSS生成ツールである「Sass」の使い方について説明します。
◆アセットパイプラインの概要 Rails開発者の視点からは、アセットディレクトリ、マニフェストファイル、プリプロセッサエンジンという、3つの主要な機能が理解の対象となるそうです。
アセットディレクトリ Railsのアセットパイプラインでは、静的ファイルを目的別に分類する、標準的な3つのディレクトリが使われています。
- app/assets: 現在のアプリケーション固有のアセット
- lib/assets: あなたの開発チームによって作成されたライブラリ用のアセット
- vendor/assets: サードパーティのアセット
これらのディレクトリには、それぞれのアセットクラス用のサブディレクトリがあります。例えばapp/assetsの場合を確認してみます。
:~/develop_environment/sample_app$ ls app/assets/ config/ images/ javascripts/ stylesheets/
◆マニュフェストファイル 静的ファイル (アセット) を上記の場所へそれぞれ配置すれば、マニフェストファイルを使って、それらをどのように1つのファイルにまとめるのかをRailsに指示することができます。なお、実際にアセットをまとめる処理を行うのはSprocketsというgemです。また、マニフェストファイルはCSSとJavaScriptには適用されますが、画像ファイルには適用されません。アプリケーションのCSS用マニフェストファイルを見てみます。
:~/develop_environment/sample_app$ cat app/assets/stylesheets/application.css /* * This is a manifest file that'll be compiled into application.css, which will include all the files * listed below. * * Any CSS and SCSS file within this directory, lib/assets/stylesheets, or any plugin's * vendor/assets/stylesheets directory can be referenced here using a relative path. * * You're free to add application-wide styles to this file and they'll appear at the bottom of the * compiled file so the styles you add here take precedence over styles defined in any other CSS/SCSS * files in this directory. Styles in this file should be added after the last require_* statement. * It is generally better to create a new file per style scope. * *= require_tree . *= require_self */
”*= require_tree .”はapp/assets/stylesheetsディレクトリ (サブディレクトリを含む) 中のすべてのCSSファイルが、アプリケーションCSSに含まれるようにしています。
"*= require_self"CSSの読み込みシーケンスの中で、application.css自身もその対象に含めています。
Railsには実用的なデフォルトのマニフェストファイルが付属しているので、Railsチュートリアルでは変更を加える必要がありませんが、もし必要な場合は、Railsガイドの「アセットパイプライン」で詳細な情報を参照できるそうです。
◆プリプロセッサエンジン
必要なアセットをディレクトリに配置してまとめた後、Railsはさまざまなプリプロセッサエンジンを介してそれらを実行し、ブラウザに配信できるようにそれらをマニフェストファイルを用いて結合し、サイトテンプレート用に準備します。Railsはどのプリプロセッサを使うのかを、ファイル名の拡張子を使って判断します。最も一般的な拡張子は、Sass用の.scss、CoffeeScript用の.coffee、埋め込みRuby (ERb) 用の.erbです。
プリプロセッサエンジンは、繋げて実行する (chain) ことができます。
foobar.js.coffee
上の拡張子の場合、CoffeeScriptプロセッサ経由で実行されます。
foobar.js.erb.coffee
上の拡張子の場合は、CoffeeScriptとERbの両方で実行されます (コードは右から左へと実行されますので、この例ではCoffeeScriptが最初に実行されます)。
◆本番環境での効率性 Asset Pipelineの最大のメリットの1つは、本番のアプリケーションで効率的になるように最適化されたアセットも自動的に生成されることです。従来は、CSSとJavaScriptを整理するために、機能を個別のファイルに分割し、(インデントを多用して) 読みやすいフォーマットに整えていました。これは、プログラマにとっては便利な方法ですが、本番環境にとっては非効率です。それというのも、最小化されていないCSSやJavaScriptファイルを多数に分割すると、ページの読み込み時間が著しく遅くなるからです (読み込み時間は、ユーザー体験の質に影響を与える重要な指標の1つです)。Asset Pipelineを使うと、この「開発効率と読み込み時間のどちらを重視するか」という問題について悩む必要がなくなります。開発環境ではプログラマにとって読みやすいように整理しておき、本番環境ではAsset Pipelineを使ってファイルを最小化すればよいのです。具体的には、Asset Pipelineがすべてのスタイルシートを1つのCSSファイル (application.css) にまとめ、すべてのJavaScriptファイルを1つのJSファイル (javascripts.js) にまとめてくれます。さらに、それらのファイルすべてに対して 不要な空白やインデントを取り除く処理を行い、ファイルサイズを最小化してくれます。結果として、開発環境と本番環境という、2つの異なった状況に対してそれぞれ最高の環境を提供してくれます。
今回はここまで^^なんかあまり手を動かさずに読んでばっかりでしたwでは!!